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ECUチューニングの実態@

はじめに
ライトチューニングではまず行うといっていいエアフィルタの高効率化、マフラーのストレート化などにより、簡単にブーストが上がり、GDBメーカー公称1.2kg/cm2(NB1.0kg/cm2)が1.4kg/cm2+αへとすぐ上がってしまいます。導入するエアが増えるわけですから空燃比が薄くなり勝ちと言えますが、純正ECUがもつマップ(燃料噴射、点火時期等)とのズレが生じ、求める特性よりも濃い部分や薄い部分が出来てしまうという問題が発生します。しかしながらフィルタやマフラー交換程度なら純正ECUでも十分許容範囲であるということもあり、それほど重要視されていない場合が多いです。。しかしながらノーマルECUのままではライトチューニングであれどもパーツの効果が出にくいと言われているようです。
ブーストの上昇はECUのフュエルセーフ機能による燃料カットが働いてしまうという問題がありますがこの問題はブーストコントローラーで比較的容易に回避することが可能といえます。しかしながら、更なるハイパフォーマンス化として高出力タービンや、メタル触媒つきフロントパイプ、高効率タービンサポートパイプの導入。これに伴うインタークーラーの大型化、燃料系(ポンプ、レギュレーター、インジェクタ)の強化などつきない場合においてはECUチューニングは必須といえるでしょう。各社パーツメーカーはチューンドECUの開発に急ぐわけですが、既にGC系で実績を得ているパーツメーカーにおいても発売が出遅れ気味のようです。某雑誌の情報ではその原因としてGCからGDにモデルチェンジすると同時にECU、エアフロ等電装系ががユニシアジェックス製からデンソー製に変更されたことにあり、開発プログラムの流用がきかないことが要因の一つ。またデンソーにおいては汎用チップではなく、カスタマイズ仕様のチップを導入していることも大きく影響している模様。GD系においてはAVCS(可変バルブタイミング)により吸気側バルブタイミングを油圧で連続的に変化させて制御する技術を導入し低速トルクアップを狙っている。可変バルブタイミングはECUにおいて制御しているので切り替えポイントの最適化制御が可能となれば、かなり有力なパラメータとなり得るといえるでしょうか。

ROMチューンとサブコンフルコンの違い
ECUチューニングといっても大きく3つに分けられます。ライトチューニングだけの場合、今はライトチューニングだが今後の発展性も考慮したい場合、ばりばりハードチューニング派。用途にあわせて選択する必要があります。
ROMチューニング ECUのノーマルのROMをとりはずし、出力特性の最適化を行ったプログラムを入れたROMに書き換えます。ノーマルECUの安全性を重視したセッティングから余分なマージンを削り取る方向になるので本来の性能を引き出す事ができる反面、セッティング次第ではライフに影響することも懸念されるようです。ROMの書換えにあたっては追加基盤でもってチューンドROMを追加する形が多いのでノーマルECUを下取りしたうえでのプログラム変更という形になります。プログラムの変更といっても数値の変更のみになるので前もってテストデータを蓄積した上でのセッティングが必要になります。主に燃料噴射量の増減、点火タイミングなどがありますが、レブリミット、スピードリミット、ブーストリミットなども変更可能です。
サブコン ノーマルコンピューターに配線を割り込ませてボリューム制御するタイプ。取り付け汎用性が高く、比較的自由に制御できる特徴を有する。ノーマルデータの点火、燃料データを取得し、それを元にコントロールするが、パラメーターの拡張性がなく、サブコンピューターでのメインCPU制御には限界があるようで、最適なセッティングが出しにくいという難点があるようです。
HKS F-CON S
フルコン ノーマルコンピューターに割り込ませるタイプと、骨格そのものをノーマルコンピューターごと交換するタイプがある。ROMチューニングよりも調整範囲を広くしたもので、より高い性能を発揮させることが可能となるが、それだけパラメータが増えることになるので調整が難しく、熟練したユーザーでないとノッキングや十分な性能を発揮できない場合もある。パソコンやコマンダーでもってデータ変更ができるものがあるが、現車合わせやある程度セッティングを絞りこんだセミオーダーという形をとるものが多い。
A'PEXi PowerFC

ECUの中身
ECUの蓋をあけてみてもっとも大きい石がCPU(演算装置)です。車にはさまざまなセンサ(エアフローメーター、吸気温センサー、水温センサー、クランク角センサー、スロットルセンサー、O2センサー等など)が働いています。これらセンサはコネクタでECUに入力されます。そしてこれら各種センサー信号(アナログ信号)は周りの回路を通過して「0」「1」のデジタル信号にA/D変換され、このCPUにおいて演算されます。演算するためには計算式(プログラム)がいります。このプログラムにしたがって各種センサのデータからエンジンを制御する為の情報を作り上げるわけです。このプログラムはROMと呼ばれる別の石(おそらくCPUの次に大きな石)に記録されており、このROMのプログラムを書き換えることがいわえるROMチューンになります。しかしながら最近ではこのROMに記録されているプログラムがCPU自体にレイアウトされ、1チップ化されている場合が多いようです。この場合、プログラムは取り外せないわけなので簡単には変更できない。そこでとられる手段が本来のプログラムを殺して別に用意したプログラムを読ませるようにすることで可能となります。ここで必要となるのが追加基盤です。加工作業としてはCPUを丁寧に根気よく取り外します。(半田コテで溶かしては吸い取る)、とりはずしたらCPU代わりに追加基盤を装着し、とりはずしたCPUを追加基盤の上に差すという方法です。つまりボードとCPUの間に追加基盤をかませるわけですね。で、この追加基盤に設けられたROMのソケットに新しくチューンしたROMを差し込みます。

 
追加基盤
<レガシー用 GRID製 138-PCBBG インプ用は244-PCBS28 なのかな。いずれも5〜6千円程度で入手可能です。>


<装着写真です。あくまでも例です。上に一段上げてあるのが追加基盤です。>

この状態ではCPUのプログラムは動作せず別途用意したROMを差さないと動作しません。
さて、ところでこのROMプログラムにはどんな情報が入っているのでしょうか。
実際にはROMライターという装置で読み書きが可能です。(別途DOS/Vか98が必要) 

<GRID スマートライター 9-TU11400 \39,800>


さて実際読んでみるとどんなデータが出てくるのか。バイナリエディタでもって見ると・・。
91 8A 8A 00 00 0E 68 70 AB 3B 84 77 21 21 3B 54 
77 84 B3 BB C0 AE AA A3 C0 AA AA AA AA 59 AE A2
8A 8A 00 BB C0 AE AA A3 C0 AA AA 3B 54 BB C0 AE
AA A3 C0 AA AA B3 BB C0 AE AA B3 BB C0 AE AA 00

91 8A 8A 00 00 0E 68 70 AB 3B 84 77 21 21 3B 54 
77 84 B3 BB C0 AE AA A3 C0 AA AA AA AA 59 AE A2
8A 8A 00 BB C0 AE AA A3 C0 AA AA 3B 54 BB C0 AE
AA A3 C0 AA AA B3 BB C0 AE AA B3 BB C0 AE AA 00
91 8A 8A 00 00 0E 68 70 AB 3B 84 77 21 21 3B 54 
77 84 B3 BB C0 AE AA A3 C0 AA AA AA AA 59 AE A2
8A 8A 00 BB C0 AE AA A3 C0 AA AA 3B 54 BB C0 AE
AA A3 C0 AA AA B3 BB C0 AE AA B3 BB C0 AE AA 00

※上記は適当な16進数の羅列で、実際のデータではありません。 

こんな具合の16進数の意味不明なデータが出てきます。
よく使う10進数が0〜9の10パターンの数字で表現されるのに対して
16進数は0〜9の次がA、B、C、D、E、Fと記号が加わり、Fを越えると0に戻り16パターンの記号でもって表現されます。
実はこれは人間にわかりやすく翻訳されたバイナリデータである。
わかり易くないといえばそれまでであるがコンピュータは「0」と「1」しか理解できないので
実際には「00011011」
といった超意味不明な2進数データでもって処理される。これでは人間はたちうちできないので
せめてということで多少親切に表現されたと思いましょう。
詳しく述べると
16進数 = 2進数 = 10進数
F = 1111 = 15
E = 1110 = 14
D = 1101 = 13
C = 1100 = 12
B = 1011 = 11
A = 1010 = 10
9 = 1001 = 9
8 = 1000 = 8
7 = 0111 = 7
6 = 0110 = 6
5 = 0101 = 5
4 = 0100 = 4
3 = 0011 = 3
2 = 0010 = 2
1 = 0001 = 1

上表でいう「F」は10進数では15、2進数では1111 「FF」は10進数では255、2進数では11111111となるわけで、
つまり4個の0と1を一文字で表現しようとすると考えるとなんとなくわかります。
2進数をうまく表現するのに都合がよいデータ形式なわけですね。
0と1の2通りが4桁だと2の4乗で16
         8桁だと2の8乗で256
         16桁だと65536通りのパターンができるわけです
この桁数をビットと読んでいます。
このへんの話は知ってる方は知ってるでしょうしさらにつっこめばつきないのですがこのへんで・・。
ただ、ここで示したいのはインプレッサの場合、ECUはGC8もGDBも16ビット
なわけですので65536通りという膨大なデータを一度に処理しており、
それだけたくさんの情報量、細かいセッティングが成されているということが言えるでしょう。

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