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ECUチューニングの実態A

理論空燃比とは
ECUチューニングの関連記事では必ずといっていいほど空燃比という言葉が出てきます。空燃比って実は私は以前から聞いたことはあってもぼんやりとしかわかってなかったりしました・・。これはたとえば空燃比が15とすると 空気15に対して燃料が1の割合(重量比)で混合しているということになります。
また、例としてあげた15というのは結構の意味の深い数字で、もっともガソリンが都合よく燃焼できる空燃比を示しているらしく、正確には「14.7」という数値が理論的に良いということが証明されているようです。実はこれが理論空燃比といわれているものになります。空燃比は触媒と深い関係にあります。触媒というと排気ガスに含まれる有害な物質(一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物)を浄化する重要な役目を果たしています。触媒を通過したガスは二酸化炭素、水、窒素に変換されます。化学の世界では触媒とはそもそも活性化させる役目を持っていますので反応を促進させる役目をしているといってよいでしょうか。この触媒においては酸素が重要な要素となっており酸素を多くすると浄化作用に有利であるが、多すぎると逆に窒素酸化物を増やす結果となり、トレードオフの傾向にあります。ですので最も良いとされる中間のポイントが14.7だというわけです。車の排気管にはO2センサーが取り付けられており、常に空燃費が14.7になるようにECUがフィードバック制御を行っています。具体的にはO2センサでもってモニターした空燃比で燃料噴射量を増やしたり減らしたりしているようですが。
以上のことから空燃比が14.7だとガゾリンがきっちりと燃えて有害物質の排出用を極力すくなくできるわけです。
とはいっても常に空燃比が14.7に保たれているかというとそうではありません。これはあくまでもアイドリングや安定走行時の話でエンジンがぶんぶん回転してアクセルを踏んだり戻したりしているかぎり数字が動きます。実際には10〜17と広い範囲でもって変動するといえます。またアクセルを踏んで最高出力を出すためにはある程度薄くしないと出力が出ないということがいえます。ターボ車の場合は10前後だといわれているようですが・・。この最大出力を得るための空燃比を出力空燃費というようです。
浄化作用と出力を両立するにはなかなか難しいものがあるので加速時は浄化作用をある程度殺して最適空燃比になるようフィードバックのモード切り替えを行うようプログラムされていることになります。このへんがメーカーのエンジン特性への味付けに影響するといえるでしょう。


フィードバック制御の概念
フィードバックとはゲイン「K」 伝達関数「P」とした場合に、出力「y」を、入力側「r」へ戻します。制御量を目標値と比較し、それらを一致させるように操作量を生成するわけです。Pの伝達関数がROMに書き込まれた空燃比だとすると、センサでもってそれを監視し、ゲインKでもって目的の空燃比になるように微調します。このときゲインKは燃料噴射量、スロットルにあたります。



   
空燃比計(A/Fメーター)
空燃比は理論上ではなく、実際に追加メータでもってモニターすることも可能です。
インテグラル DM-05M 上位機種でDM-20Mなどが主流です。
純正のO2センサーを流用するものや、2〜3万円で売られている空燃比計よりは精度が良く、信頼性が高いとされています。
センサーはエキマニの途中に穴加工、もしくわO2センサ部分にとりつけます。出力と空燃比の関係をモニターしてみるとおもしろいかもです。
インテグラル DM-20M

燃費向上のメカニズム
ROMチューンをすると燃費がよくなるという話があります。空燃比が薄くなれば燃費が良くなるのはあたりまえじゃないか。 と思われ勝ちですが、実際のところ薄い空燃比の場合、インジェクタでもって燃料噴射量を少なくしても、その変化量はたかがしれており、吸い込む空気を増やすほうが効果的といえます。ではなぜ燃費が良くなるか、ですが、薄い燃料であればどうしてもトルクが出にくく、アクセルを踏むことでトルクを得ようとします。アクセルを踏むと吸気スロットル弁が開き、たくさん空気がとりこまれようとするわけですが、空燃比を薄くしたチューンドROMに対してノーマルROMではやや濃い目の空燃比となり、スロットル弁もやや絞られることになります。このスロットル弁が絞られてしまうとエンジンがたくさん空気を吸おうとしているにもかかわらず十分に吸気できない状態になり、ポンピングロスとして効率を低下させてしまいます。つまり濃いくせにトルクも出ない という事態に陥り、燃費を悪くしてしまうわけです。一方チューンドROMでは薄くするするためによりたくさん空気を吸い込むわけですが、スロットル弁を十分に開けているので、ポンピングロスを少なくすることができ、結果的に燃費がよくなります。


マップとは
ECUチューニングで一つ欠かすことができないのがマップです。マップというのは回転数に応じて噴射量や点火時期を増やしたり減らしたりするための補正係数を表に並べたものです。
話が前項に戻りますがROMライターで取り出したバイナリデータの中身を根気よく探すと、このマップと称される部分が存在します。見た目文字列の羅列なので見つけ出すにはそれなりの経験と根性が必要でしょうか。

◇燃料噴射量マップ
00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00
2A
2A
2A
2A
20 34
20 34
20 34
20 34
※の部分にも16進数のデータがぎっしりつまっています。
1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 5500 6000 6500 7000
0 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 13.3 13.3 13.3 11.7 11.1
1 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 13.3 13.3 13.3 11.7 11.1
2 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 13.3 13.3 13.3 11.7 11.1
3 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 13.3 13.3 13.3 11.7 11.1
4 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 14.7 13.3 13.3 13.3 11.7 11.1
5 13.9 13.1 13.7 13.7 13.1 12.8 12.8 12.8 12.8 12.8 12.8 11.7 11.1
6 13.9 12.6 13.7 13.7 13.1 12.8 12.8 12.8 12.8 12.4 11.8 11.7 11.1
7 13.9 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 12.4 11.6 11.7 11.1
8 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.8 11.6 11.7 11.1
9 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.8 11.6 11.7 11.1
10 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.8 11.6 11.7 11.1
11 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.8 11.6 11.7 10.5
12 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.7 11.7 11.7 10.5
13 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.7 11.7 11.7 10.5
14 13.1 12.6 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 13.1 12.5 11.7 11.7 11.7 10.5
燃料噴射のマップ 燃料噴射の補正係数変換マップ
左に示したのが燃料噴射のマップです。このままでは暗号ですが・・。
縦軸が空気の量、横軸が回転数を意味しています。つまり左上がアイドリング時、右下が最大出力時となります。
これを係数でもって計算すると右の青い表のようななんとなく意味のありそうな数値として変換することができるようです。
左の16進数のデータを一旦10進数に変換し、係数をかけたものが右の補正係数になるようです。
「20」のところは10進数に変換して32。これに0.8を掛けると25.6。25.6%燃料噴射が増やされることになるのだから、
14.7:1が 14.7:1.256 というふうに補正され、空燃比が11.7 という具合に。
00の部分がありますが00は10進数に変換しても0なので補正する噴射量はいらないということになり,
14.7:1のままとなります。
※上記マップデータは実データに基づいて適当に作成したダミーデータです。


◇点火タイミングマップ
56 56 6A 80 A3 B0 B5
56 56 6A 80 85 B0 B5
60 70 90 9A B3 B7 BC
77 77 95 9D AA B3 B8
6A 6A 88 91 A2 AA A7
59
3C
26 95
95
8B
88
86 86 86
86 86 86
86 86 86
86 86 86
※の部分にも16進数のデータがぎっしりつまっています。
500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 5500 6000 6500 7000
0 10.0 10.0 14.4 19.3 27.1 30.0 31.1 31.8 33.8 28.0 27.1 30.0 30.0 30.0
1 10.0 10.0 14.4 19.3 20.4 30.0 31.1 31.8 33.8 28.0 27.1 30.0 30.0 30.0
2 12.2 15.8 22.9 25.1 30.7 31.6 32.7 33.6 35.3 30.7 29.6 31.6 31.6 31.6
3 17.3 17.3 24.0 25.8 28.7 30.7 31.8 32.4 33.6 29.6 28.7 30.7 30.7 30.7
4 14.4 14.4 21.1 23.1 26.9 28.7 28.0 30.7 31.6 27.8 26.9 28.7 28.7 28.7
5 10.7 10.7 15.3 19.1 25.8 26.9 29.6 28.7 29.6 26.9 25.8 27.8 27.8 27.8
6 4.2 4.2 11.6 17.3 21.1 24.0 25.8 26.9 25.8 25.8 24.9 25.8 25.8 25.8
7 -0.7 -0.7 5.8 11.6 14.4 18.2 22.0 24.9 24.0 24.9 24.0 24.9 24.9 24.9
8 -0.7 -0.7 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 24.0 24.0 24.0 24.0
9 -1.8 -1.8 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 23.1 21.8 21.8 21.8
10 -1.8 -1.8 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 22.0 21.1 21.1 21.1
11 -1.8 -1.8 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 22.0 20.7 20.7 20.7
12 -1.8 -1.8 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 22.0 20.7 20.7 20.7
13 -1.8 -1.8 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 22.0 20.7 20.7 20.7
14 -1.8 -1.8 5.8 9.6 13.3 16.2 19.1 17.6 24.0 24.0 22.0 20.7 20.7 20.7
点火タイミングのマップ 点火タイミング補正係数変換マップ
もう一つ重要なカギをもつマップとして点火タイミングマップというものがあります。
同様に左の16進数のデータを10進数に変換し、何らかの返還式でもって数値化すると
右のような角度データが得られます。
56は変換して86 基準値を86とすると (86-86/4.5)+10=10 
86は変換して134 基準値を86とすると (134-86/4.5)+10=20.7
という具合に・・。点火タイミングは常に一定で基準値を10degとすると−1.8というのは8.2degに相当し、
20.7というのは10.7deg遅らせているということはいうまでもありません。
※上記マップデータは実データに基づいて適当に作成したダミーデータです。


このマップは燃料噴射のマップと点火タイミング補正係数だけとりあげましたが実際には、吸気温度や水温など様々なマップが存在し、これらすべてのパラメータのマップにしたがってエンジンは動いているということになります。

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